特定調停は前述の説明のとおり有効な手段ですが誰でもできるものではありません。特定調停は債務者と業者で和解して返済困難に陥った方の見通しをたてるものです。返済原資(返済に充てられる一定の収入)がない方、返済不可能な方を対象にはしてません。万一、失業中等の場合は専門家に相談するほうが無難でしょう。
裁判所の内規では全債務を利息制限法(18%)に引きなおした総額を5年以内(60回以内)に返済できる収入があることを前提にしているようです。例えば300万の債務がある方が18%に引きなおして債務が200万になった場合、200万÷60=約3万3千円を毎月支払えるだけの収入が必要です。
申立後の流れ
簡裁より各業者には特定調停申立書が届き、業者は取引履歴を裁判所に提出します。それらが揃い次第、調停期日が決まります。この間に調査期日が設けられ債務者は簡裁に債務の内容等申告することになります。
調停期日当日
あなたは必ず簡裁に行く必要がありますが、最近の業者のほとんどは17条上申と言って当日出頭せず、電話で調停委員と業者が交渉します。 (業者が出頭した場合は調停委員とあなたと業者の3者で話し合います。)電話で交渉している調停委員は和解案を出し業者も貴方も納得の上で和解が成立します。和解が成立し2週間以内に意義申立がない場合、調停調書(又は調停に代わる決定)は確定判決と同じ効力を持ちます。
利息制限法(18%)に引きなおし後、残高がマイナスになった場合
例えば最後に取引した明細書の残高が5万円だとします。その業者とは5年前に契約し以後ずっと入出金を繰り返していたとすれば、おそらく29.2%⇒18%に変換して最初から計算しなおせば、ある時期から先はマイナスになるはずです。
マイナスになった分は返してもらえるか? 結論から言えば返してもらえません。特定調停では業者から債務者に返還する旨の内容の調書ができることはありません。特定調停の趣旨から外れるからです。もしどうしても返してもらいたいなら別事件として過払返還請求訴訟をすることになりますが特定調停以外は個人でするのは難しいでしょう。過払返還請求した方がお得なのか?何をもって判断すればいいかについても、この後、じっくりご説明していきましょう。